CANDY

愛はどんな味でしょうか? Twitter:@to_darui

優しくなりたければ強くあれ

 

 

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高橋優 / 少年であれ

 

少年であれ

少年であれ

  • 高橋優
  • J-Pop
  • ¥250

 

 

綺麗な心の持ち主がその綺麗な心ごと傷付けられて傷付いて穴だらけにされてボロボロになって遂には自分自身にまで殺されかけて、そんな経験の先で前を向いて光に向かって手を伸ばし続けている強くて優しい人の歌。

注:今回もだいぶ自分のことばかりで勝手に散らかして勝手に終わっています、予めご了承ください。

 

 

 

 

 

高橋優はどうやって痛みを乗り越えて

どうやって強くなったのだろうか

 

 

 

 

「 僕なんか生まれなきゃよかったの? 」

 

ギターは持たず、声とピアノとヴァイオリンのみ。MVもとってもシンプル。だからこそ歌詞と思いが声に乗ってきてストレートにザクザク痛いくらい届いてくる。

そんなこの曲の最初の一文、かなり衝撃的。真面目で綺麗な心の少年の真っ直ぐな問いかけに大人になった今の高橋優が少しづつ答えていくような、そんな感覚で聞いてます。「別に」とか「面白そうな」とか「楽しい方だけ」とか軽過ぎず重過ぎず、絶妙なニュアンスでその問いかけに柔らかく優しく「そんなに考え込まずに」って決して重く固くなりすぎない言葉で答えていくような歌い方、答え的な部分は多分微笑みながら歌ってる(ように聞こえます)

 

 

 

心を休めることすら許してもらえなかったんだな

 

あの頃に、教室という小さくて厄介な世界の中で意味の無い悪意を含んだ視線や陰口に晒されて怯えながら過ごしていたあの頃にこの人のこの歌に出会っていたら自分はどうしただろうかって考えながら聞くことがあって。「うるさい!うるさい!」って耳も心も塞いでしまったかもしれないし救われてたかもしれない、当時の自分は自分じゃないので正直考えてもよく分からないけど 

あの頃を乗り越えてしばらく経ったあの日、この曲を聴いた瞬間、あの頃の生々しい記憶や気持ちや普段は封印してある黒くて汚い憎悪の類が心の底の方から一気に湧いて出てきて、それと同時に涙が溢れた。

 

 

 

生まれてきた意味ならば後付けでも素晴らしい

 

素直に「生きててよかった」って思えた。

意味のない悪意ある棘の生えた言葉や行動によって自分の存在意義が少しづつ消されていく恐怖、楽しいこととか嫌なこととかだんだんそういう分別もつかなくなっていく恐怖、「わからないことはわからなくていい」「抱えきれないものは抱えなくてもいい」そんな当たり前のことすら分からなくなっていってだんだん真っ暗で静かな自分の内側に内側に追い詰められていく恐怖。今でも残る恐怖。当たり前を気付かせてくれる友達も大人も周りにいなかったし自分で気付くなんてことも到底出来なかった。でも生きた。

大人になった今でも生きてる意味が頻繁に分からなくなったりするけどその度に「生まれた意味ならば後付けでも素晴らしい」ってあの言葉がふんわりと浮かんできて、「そうか…よく見えないけどこの瞬間にも何らかの意味があって生まれた意味を後付けするための時間なのかな。そしたらもう少しやってみるか。」って思えるのです。私にとってこれは結構、割と、いや、本当に凄いことなんです。

そして 「奴ら」のことは決して悪く言わないこの人の歌詞、むしろほとんど登場してこない。なぜなら「奴ら」はもう当時の事を覚えてはいないだろうし、周りは関係ないから。自分自身がどう考えてどう生きるかによってこの世界はどうにでも変わるから。「生まれなきゃよかったのかな」と一瞬でも思ったことのある人の言葉だからこそ重くて苦しくてあったかくて救われる。

 

 

この歌を聴いて心の錘が軽くなった人、

救われた人、もう少し生きてみようと思った人、

涙を流せた人、どれくらい居るんだだろう。

 

少年よ、君は素晴らしいぞ。

いま君はきっとたくさんの人を救って、たくさんの人の人生を豊かにしているよ。「それ」を聴いた人の心に少しでも希望を生み出せる、そんな曲を言葉を書ける人間ってこの世にどのくらい居るんだろう。

 

 

わたしの大好きで尊敬するひとの言葉で「 優しくなりたければ強くあれ 」っていうものがあるのですが、正に高橋優はその通りの人だなと思ってて。優しくなるにはそれ以上に自分が強くなくちゃいけなくて、強くなるにはそれ相応の経験を積まなくちゃいけなくて。どれだけ強くなればこんなに優しくなれるのかな。これは誰にでも出来ることじゃないから、わたしには一生知りえないと思うけど、少しでも想像しようものならば苦しくて耐えられないかもしれない。受けた憎しみや苦しみを憎しみや苦しみでアウトプットしない強さ。うう…強くなりたいよ…………

 

当時の自分と当時の高橋少年を重ね合わせると感情がめちゃくちゃになって意味わかんなくなって息がしにくくなるけど決して負の感情に飲み込まれてる訳じゃなくて。こんな風に思える様になるまでにどれだけの苦しみと悲しみを味わってどれだけの涙を流したかは計り知れないけれど、当時の少年に会えたとしたらぎゅっと抱きしめて少年の存在意義を夜通し提示してあげたいと思うし、いつか奇跡が一億五千万回くらい起きて地球が三回くらい滅亡して本人に何か少しでも伝えられる時が来たとしたら「生まれてきてくれてありがとう」って伝えたい。

わたしの存在意義を見出してくれて、存在を肯定してくれてありがとう。

 

いつか少年も、みんなも、生きててよかったと心の底から思える日が来ますように。後付けでも良いから生まれてきた意味を見出せますように。

 

 

 

 

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